second comingらない

eien聴いてずっと倒れてる
すぐ聴いて!って急いでLINEしたお友達も、すぐ聴いてくれて、そのまま倒れてる
3日くらい経つけど未だに「いやいや、いやいやいやいや?」って2時間リピートしてる
しかしなんかみんな平気じゃない?静かじゃない?もしや死んだ?


2015年、またバンドやろうって集まった頃に作ったデモで、歌詞は一つの単語もないハナモゲ、曲はちゃんえま
音のヌケとか圧の扱い、明度、クリア感が「1998年の洋楽ロック」、しかも商業ベースがでかい、U2とかそういう当時の洋楽ロック
(そういうとこちゃんえま~!って思うし、このちゃんえまによる「ロック」解釈が、あんときの吉井和哉の圧倒的な歌謡UKサイケ「ロック」解釈をメチャクチャ鋭利にした立役者だ、どっちかだけならSICKS出来てないと思う)


2019年の今はもとより、2015年に仮にこれが出て、かっこいいかというと、わたしは微妙
いやおるけどこういう人、国内外問わず
それをわたしがイエローモンキーに求めてるかといえばそうじゃなく、でもやると言われたら受け入れたと思う
演奏してるメンバーは絶対にファッキンかっこいいし、この曲に吉井和哉が選んで乗せる言葉なら絶対鼻血噴いて寝込む自信もある

実際、歌詞とメロディで人生狂った吉井屋のくせにソロ追えなかったわたしが「(歌詞なくちゃんえま曲なのに)これか~!!!!!!」って頭抱えてしまったくらい、デモだけである意味イエローモンキーの本質感もある
カムバックの物語とあわせて、雑誌や世間がこれがイエローモンキー!と書き立てれば、まあ、そうかと、違和感少なく思ったりしてたかもしれないな

 

でも理由はわからないけど、この曲は現在に至るまで、発表されなかった
2016年に出たのはオーライだった(それはそれで「これで許すと思ったか…?」ってなったけど笑)

 

 

オーライに「この曲でぜんぶ許す~!🤗✨」とは全然ならなかったので、代々木でプライマル。聴くまでは自分の態度も決まらなかったし、オーライに現実の血が通って、彼らとわたしらのものとして、そういう装置として輝くのを見届けて納得するのに秋までかかった(北海道までの旅費もかかった)
そこからロザーナが、地味オブ地味に1対1で心にもう一度火を灯そう、ってしてくれたのを経て、
Starsで真面目すぎるオンタイムの夢をみて、horizonが出て、アルバムが出て
アルバムの1曲目なんかこの恋のかけらやん
イエローモンキーのアルバムの1曲目がよ?

 

どれも、わたしが暗に期待していた過去の魔法のパターンとは違った
予定調和を嫌いながらも、毎回「アレッ」で、己の安易な期待を恥じつつ、バンドがなにを伝えたくてこうしてきたのか考えて、黙々と軌道修正してきた
彼らがどんな方法でどこに行こうとしてるのか、実はわからないけど、ここまで来たらわたしもその旅一口乗るしかないわ~と思って、ついてきちゃった


で、今しれっと差し出されるeien
アルバムの後出しおまけつき完全版っていう、人めっちゃ選ぶリリースの、ボートラ(?)で

 

意図も意味もまだ発表ないからわからないけど、わたしは1997年にSICKS聴いてた高校生で、いや、だから、
これ、あり得たはずの楽園の続きやん
幻の1998年やん

 

 

 

楽園のあとに、夕暮れも秋もこなかったら
もっとうまく休むことを知ってて解散しなかったら
どれもそうはならずに、明けない夜と終わらない冬にのたうち回って死んだバンドで、だからこそ帰ってきて、季節が移って
人生にifはないから、今とこれからでどんな過去も越えていけるのを証明するんだと、バンドはそう思ってるかどうか知らんがわたしは、自分にそう言いたくて
eienが早々にリリースされてたら、オーライや他のシングルとは比べられないくらい、わたしはハチャメチャに大騒ぎした

そして今もうここにおたくとしていない
彼らがあの続きをまたやるんだ、楽園が永遠になったって言って、そこでわたしとバンドの旅は完結したと思う

手放しで全部許す!!!!!!って言った

未来はなかった
劇的じゃない自分の毎日を自分の足で歩く中、春にこの恋を聴いて、新しい映画を観始めるような気持ちになることはなかった

 

19年ぶりのアルバムツアー初日の静岡で、バンドが駆け上がって楽園が出てSICKSを出した頃の話をした吉井和哉が、「俺たちは、必ずまたあんなアルバムを作るから、あんな想いをまたさせるから」って言ったんですよ
おたく普通にウェーン!て泣いて、でもこんときととっくにeienは存在してたんだよな
持ってたのに出さなかった、ツアー全部終わってからペロッと出してきて
使える魔法があるのに、選ばなかった

 


eienがこのあと出なくてもいい
イエローモンキーの未来この路線でなくてもいいし、全振りして商業ロックのモンスターバンドとしてメディアに消費されたくってももうなんでもいい
誰にどんだけそう見られても、だってそうじゃないから
かつて自分の魔法で空に舞い上がったバンドが、「もう一度羽ばたけ」って言いながら実際にはeienで離陸せずに「少し歩こう」って、魔法以外で一緒に進む時間をくれたおかげで、
何者にもならなかったおたくひとりひとりの人生を否定せず心に火を灯してくれたおかげで、
1997年の魔法にずっと取り憑かれてたわたしというおたくゾンビは、やっとそこから自由になれた
誰かの伝説でも大御所でも思い出でもない、麻薬的な投影・逃避で自分をないがしろにすることもない、現在進行形のわたしや誰かの人生に鳴るただの最愛のロックバンドとして好きになれた

 


次のアルバムに入るかもしれないってね、

わたしはもう魔法がなくても好きでいられるのに
何度も言うけど使える魔法があるのに使わなかったんだよね、焦らしというか、しらんけど笑

ねえいつどのタイミングで出すの、2020年なら例えばどんな音になるの、なにを歌うの、

かつて「延々」って言たのが「永遠」に明るく進化して、どんな気持ちで歩いてくの

 

いやこんなん未来楽しみすぎるでしょ、眩しすぎてくらくらする

 

 

 


(ほんとは未来はみないでを聴いてから対にして考えようと思っていたけど、せっかちなので待てなかった)
(また訂正するかも)