東京ドの話 紅子

 


忘れてたんだよ、わたしは都合がいいから。

 


わたしのことは、わたしよりもイエローモンキーのほうがよく知ってる。
というより、気づかない振りをしていたいことを、いつも曲で暴かれてしまう、ことにしている。

吉井和哉になら心の奥底を見透かされてもいいと思い、バレたなら仕方ないやと最後の言い訳に設定している。
イエローモンキーのことを出来るだけ解像度高く把握したい、って言いながらも、
イエローモンキーに映した自分の奥の奥がどこまで見えるかに目を凝らしている。


今更だけど、20代まるまるイエローモンキーいなくて、なんか本当はそのとき居て、してほしかったであろう事を、騙し騙し今更求めている気がしてきた。
イエローモンキーは大人でやさしいから拒絶もせず、でもいつも「朝が来たなら起きてあなたに戻りなさいね」と言ってくれる。

 

名古屋は「いや、せめてもうちょっと近くでみせてくれ笑」大阪では「いや正面からみせてくれ笑」って茶化しながら、念願叶った東京ドで、ようやく正式な「もうここにはいられないんだよ」を頂いて来た感じです。
まっすぐ言ってくれてありがとう。


どこにもいけなくて、また2001の同じ場所から再開して、でもやっぱりどこへもいけない。確かめ合う以外にあまりになにもなかったから、やっぱりお互いもうここにはいられないってわかってて、向こうから優しくずっとそれを伝えてくれてるのに、

こっちは20年前と同じように、自分がすべきこともわかってるのに、


ライブが終わった時点で、わたしがわたしと再会出来る気配はなかった。
でもそれもやっぱり優しい夢みたいで、暫く眠ってまた起きたらこんな日々が続くんじゃないかと思ってしまう。
この4年それやって、楽しくて、わたしの身体はどこへも行けないまま。
愛したイエローモンキーの曲から、それを聴くにふさわしい自分から、どんどん状態が遠ざかる。

これはロザーナ聴いたときに喫茶店で泣きながら復唱した、やっぱ好っきゃねんの歌詞。


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これはいまわたしの脳内でガンガンに歌っている欧陽菲菲

 


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東京ドでみたのはわたしの最愛の音楽、こんな状況下でも逢えて嬉しかった。

でもこう聴こえる。

引き留められない。

 


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好きになったことは勿論、わたしがわたしを投げ出したことも、後悔はしていない。

でもこれからも一緒にいるためにはまるで何もかも足りない。

わたしはこんなに何にもなかったか?

 

 

 

「心が何度でも立ち上がれる若さがあるうちに」

自分は無敵の不死鳥だと思ってたんだけど、案外そうでもないんだよね。

バラ色も、あんなにみたかったfourseasonsも、いざ見たら今の自分では追いつけない。

プライマル。の呪いすら解けてしまって、それが自分だと思った状態から猛スピードで遠ざかっていく。

代わりに手に入れたものなんかなんもないよ。いや、どうすんだよ。

 

 

 

 

※行き過ぎた信仰はガチ恋と見た目が同じ、このあと4日間キレ散らかしてACOの四月のヒーロー歌いながら泣いて、UMB決勝でRUMIにガンたれまくる般若みたいな顔して横アリいくのですが、それはそれで別途ぶっ飛ばされるので、一旦ここでは忘れて下さい。